オカリナ日和っ

ネクソンのオンラインゲーム TWのルシアンへの愛と妄想を語るブログです

薔薇の君へ・・・(1)

ランジとルシが学園で再会した直後あたりです

で、ランジがルシを意識しだすきっかけ的なSSです。

「気になる、だから」より更に前

 

「ねぇねぇ、ランジエっ おもしろいもの見つけたんだ 一緒に来てよっ」
今日も騒がしい声で私を呼ぶのは、ネニャフル学園で再会したルシアンだった。


 彼は私の知人であるボリスの親友らしい。
騒がしく、賑やかなルシアンが、あのボリスと気が合うとは信じられなかったが。
ルシアンが私を呼びに来たのは、今が初めてではない。
以前も、羽化寸前の蝶の蛹を見付けて私を呼びに来たことがあった。
「なぜ、私を?」
そう問いかけた私に、ルシアンは笑顔で答えた。
「だって僕、ランジエともっと仲良くなりたいんだもん えへへ」
一緒に見た蝶は美しくて、私一人であれば見ることは無かった光景だった。
「さっきの蝶、とっても綺麗だったね」
蝶の飛び立った花の先には、日に透けそうな綺麗な金髪に蒼い瞳、柔らかい声。
(これが、ボリスに訪れた『春』か・・・)
気分転換にはなるのだろうが・・・しかし今の私にはもっと優先すべきことがある。


「ルシアン様 今、私は本を読んでいて・・・」
「いいから、行こうってばっ」
彼は本を読んでいる私に構うことなく、私の手を取って駆け出そうとしている。
「それからさ、僕のことは『ルシアン』って呼んでよね 『様』って付けるの禁止」
ついルシアンのペースに巻き込まれて、今回も着いて行く流れになってしまった。

 着いた場所は、広大な学園内の菜園。
ここでは秘薬開発の為に様々な植物を栽培している。
ルシアンに手を引かれて菜園の奥に進むと、そこは・・・・
「見てみて、ランジエっ 蒼くて綺麗なバラでしょ」
何に使うのか判らないが、蒼い薔薇が植えられている区画だった。
「はぁ・・・そうですね」
確かに、美しいとは思うが・・・私は特に薔薇が好きなわけではない。
そもそも園芸に、いや、革命という目的に関するもの以外に興味はない。
「この薔薇ね、ランジエに似てるなって思ったんだ それで見せたかったの」
ルシアンは私と違い、優しい表情で薔薇を見つめていた。
「私に、ですか・・・?」
「うん、青空みたいな色でしょ?ランジエの髪もこの薔薇もさ 何か元気になれそう」
自分が特異な見た目であるのは自覚している。
『空色の髪』と言われたこともある。
しかし・・・『明るい』イメージで捉えられたことはなかった。
「元気に・・・ですか」
(どちらかと云えば、鬱屈した方なのだが・・・)
「うんっ 雨が振っても、ランジエと一緒なら楽しくなるね えへへ」
ルシアンの素直な言葉は、上手く説明出来ないが私を暖かい気持ちにさせる。
素直に彼を受け入れて、ようやく私は共に薔薇を楽しむ心の余裕が出来た。
私とルシアンを包む薔薇の甘い香りも素晴らしい。
「私が空なら、あなたは光ですか?」
(光がないと、空も蒼くありませんから)
「僕が光? それいいね、かっこいいよ」
「んっ、でも一緒にいられる方がいいかな その方が楽しいよ」

 

続きは次の更新で(*´ω`*)ノシ