オカリナ日和っ

ネクソンのオンラインゲーム TWのルシアンへの愛と妄想を語るブログです

アレの活用法、教えます・・・(2)

前回の後編です

 私はドアの前でルシアンに声をかけた。                                                                    「ルシアン、知っていますか?この学園には幽霊がいて騒がしいと以前ジョシュア様が言われていましたね」
「その幽霊ですが、どうも・・・この寮の、このフロアの廊下に現れるらしいのです」
「クラスメートに聞いたところ、深夜に一人で出歩く学生を拐ってしまうとか・・・」
ここまで真顔で話して、チラリとルシアンを見ると、思った以上に怯えて真っ青になっていた。
「ですから、気を付けて下さいね」
「え?えぇ?そ、そんなの、僕、怖くないし・・・大丈夫だもん・・・うん・・・」
この程度の作り話が恐ろしかったのか、ルシアンは少し涙ぐんで強がっていた。
「はい、ルシアンが強いのは分かっていますよ、気を付けて、と言いたかっただけですから」
意地が悪いな、と自分でも思うが、ルシアンのこんな可愛い表情を見るためだから仕方ない。
「うぅ・・じゃ、じゃあ、また明日ね・・」
意地を張ったまま、引っ込みがつかなくなったルシアンが、自室に戻るために廊下を進み始めた。
(頑張っている様ですが・・・でも今夜は返しませんよ、ルシアン)
私は自分の肩辺りにいる「何か」にそっと指示した。
「何か」は私の支持通りルシアンに後ろからそっと近づいて『ちょんちょん』とルシアンの肩をつついた。
「へ?・・あれ?・・何もいない・・・え・・・」
ルシアンが振り向くと、一瞬彼の目の前に白いモヤの様なものが現れてフッと消えた。
「わぁぁぁぁぁーーー」
凄い勢いでルシアンは私の元に走って戻ってきたかと思うと、そのまま私の後ろに隠れる様に抱きついた。
「ランジエーーーい、今ねオバケが出たんだよっ 僕拐われて食べられちゃうよーーーっ」
「僕なんか食べても美味しくないって言ってよーーー」
私の後ろでギュっと抱きついたまま怯えるルシアン。
(・・・と、云うか、その可愛いセリフは何ですか・・・)
そんなことを思いながらルシアンに声をかける。もちろん、顔には出さずに。
「ルシアン、大丈夫ですよ、何もいません あの幽霊は一人でいる人しか狙わないそうですよ」
「ホントだ、もういない 良かった・・・でも、一人で廊下通ったらまた狙われちゃうよ・・・」
不安な表情が晴れないルシアン。
(もうひと押しですね・・・)
「ルシアン、良かったら朝まで私の部屋で過ごしませんか?明るくなれば大丈夫ですよ」
「うぅ、でも、僕オバケなんか怖くないよっ さっきはびっくりしただけなんだから・・・」
ルシアンは(仮にも)騎士見習いであったためか、自分の怖がりな性格を認められないらしい。
(では言い方を変えるまでです)
「そうではありませんよ、寒い廊下に出て、体が冷えてしまったでしょう?」
「ですから、朝になって暖かくなるまでここに居てはいかがですか?」
「そ、そうだよね・・・こんな寒い中、部屋まで戻るなんてさ、途中で凍えちゃうもんね」
「別に、オバケの出る廊下が怖いわけじゃないよ・・・」
ルシアンは、言い訳っぽく早口でそう言った。
「ではそうしましょう 暖かいココアを作りますよ 入って待っていて下さい」
私がそう言って、自室のドアを開けて部屋に入るとルシアンもそのまま付いて来た。
「ありがとうランジエ えへへ、さ、寒いからさ助かるよ」
私は、後ろで無邪気な声を聞きながらココアを作るためにキッチンに向かった。笑みを零しながら。

 キッチンでココアを3杯作って、一つを窓の傍のテーブルに置いた。
「どうぞ、あなたの分ですよ」
私がそう言うと、虚空から何かが移動したらしく、ココアの湯気以外の白いモヤが見えた。
少し嬉しそうにしている・・・ように見える。
「ありがとうございました あなたのお陰で計画通りに進みました」
「彼も、しばらくは自室に戻ろうとしなくなるとは思いますが、また必要があればお願いしますね」
「美味しいココアも用意しておきますから」
窓を少し開けてやる。
「ではジョシュア様の元へお帰り下さい これから二人の甘い時間なんです」
何かの気配は消えて、カップを見るとココアが飲み干されていた。

 私は、笑顔でココア2杯を持ってルシアンの元に戻った。
ココアの様に甘い時間のために。

甘々ランルシ・・・です(*゚▽゚*) 

 目的の為に策略を巡らせ、オバケすら餌付けします・・・でもルシアンの嫌がること、合意の取れていないことは絶対しない紳士なランジエ様が好きです(´∀`)